友野一希が課題に挙げる「勝負強さ」追いかける羽生結弦という理想

――以前、朝日新聞のインタビューで18年の平昌五輪前は「五輪は頭にない」と語っていました。22年の北京五輪の前には「明確に頭にある」と。今度の五輪の位置づけを教えてください。

「まだまだ人生は長いですけど、現時点では一番大切なシーズンになります。かつミラノは自分の中でも思い出があります。ミラノの世界選手権（18年）に出てから僕のスケート人生はガラッと変わったので」

――人生がどう変わったのですか？

「トップレベルで続ける資金力がうちにはなかったんですよ。スケートは大学4年生まで、と思っていました。それがミラノの世界選手権に出て、スポンサーもついて、継続可能になったんです」

――現在26歳です。フィジカル面についてはどう考えていますか？

「意外と今のところは（衰えなどは）感じなくて。羽生結弦さんが引退されたのは27歳だと思いますが、今でもどんどん成長されていってますし。みんなピークはそれぞれ。（カナダの）キーガン（・メッシング）からも『僕もオリンピックに出たのは30近くだよ』みたいな話を聞いています」

――そうすると、現役はいつまでということは考えていない？

「いや、もう1年半後までだと思います。五輪に出るためにやっているので。期限を決めないと人は頑張れないと思うので。結果を求めてやるのはあと1年半。五輪に出てから『あともう1年だけ』というのはあるかもしれないですけど」

――最後に五輪に行きたい理由を改めて教えてください。

「もう、自分が行きたいからです。みんなに認められたいとか、みんなに見てほしいとか、多少はあるかもしれないですけど、でもそこじゃない。ただ『行きてえなーっ』てだけなんで。その世界を知ってみたい。ただ、知識欲。行ったらどうなるんだろうってだけなんです」